NHK大河ドラマ『光る君へ』で源氏物語がどんなお話か気になるかたがいるのではないでしょうか。
でも源氏物語はとても長い物語なので、全部読むには労力が必要になりそうですよね、
今回は源氏物語を
- 三部構成
- 人物相関図
- あらすじを3分まとめ
- 源氏物語を一言で言うと
- 誕生秘話
- 登場人物紹介
で分かりやすいようにまとめてみました。
源氏物語は三部で構成されている
源氏物語のあらすじを紹介する前にまず物語の構成からまとめていきます。
源氏物語は3つの構成から成り立っています。
三部に分けて解説すると
一部:主人公・光源氏の恋愛模様と栄耀栄華を極めた物語。源氏の数々の女性関係が描かれる。
二部:栄耀栄華を極めた光源氏に陰りが現れる。源氏の後妻・女三の宮が不倫相手の子を出産。最愛の妻・紫の上のこの世の別れ。
三部:光源氏が世を去った後のお話。女三の宮の不義の子・薫の君の悲恋が描かれる。
ざっくり言うと、主人公・光源氏を中心に数々の女性関係が描かれた恋愛物語で、源氏が生まれる前から亡き後までのお話なのです。
登場人物の相関図
目次に分けると源氏が生まれる前の『桐壺』~『夢浮橋』の全部で54帖あります。
単行本にするとおよそ10巻にもなる長編小説です。
主要の登場人物の相関図を見てもこのくらいになります。
実際にはもっと物語の登場人物がいるので、全部読もうと思うと気が遠くなりますよね。
これから、源氏物語のあらすじを3分でわかりやすくお話したいと思います。
源氏物語のあらすじを簡潔にわかりやすく解説
一部:光源氏の恋愛模様と栄耀栄華を極めた物語
物語は光源氏が生まれる前から始まります。
皇族に生まれながら、ある事情で皇籍から外され、臣下の身分になります。
源氏の父は帝・桐壺帝と母・桐壺の更衣との間に生まれました。
桐壺の更衣は帝の妃のなかでも低い地位にあります。
位の低い更衣でありながら、桐壺帝の寵愛を独占ししたため、他の妃たちからの嫉妬や妬みを買い、その心労で世を去りました。
当時、源氏はまだ3歳。
愛する桐壺の更衣を亡くした桐壺帝は悲しみに明け暮れますが、ある評判を聞きます。
前の帝の娘が桐壺の更衣と顔がとても似ているそうなのです。
桐壺帝はその皇女を妃に迎え、藤壺の女御とし、桐壺の更衣に代わり、寵愛を独占したのでした。
桐壺の更衣をいじめていた妃たちは相手が皇女なので誰も逆らうことができません。
一方、源氏はたぐい稀なる美貌に成長し、父帝にとても可愛がられました。
世間の人たちは源氏を『光の君』と呼ぶようになりました。
藤壺の女御が桐壺帝に嫁いだのが源氏が9歳の頃です。
亡き母に似た5歳年上の若い妃に思いを寄せるようになります。
そして成人して成長した源氏は藤壺の女御と結ばれないコンプレックスから次から次へと女性遍歴を重ねていくのでした。
数々の女性関係が多い源氏ですが、意外な場所で藤壺によく似た10歳の少女と出会います。
その少女は藤壺の姪に当たり、母と祖母を亡くし、父と継母に引き取られそうになった時、源氏は女の子を将来の妻にしたいと思い、その子を自分の邸に引き取り養育するのです。
その少女こそ源氏の生涯の伴侶となる紫の上です。
父・桐壺帝が身罷られ、後ろ盾をなくした源氏。
しかも、以前から次期帝になる、異母兄・朱雀帝の妃である朧月夜と不倫をしていました。
そして朧月夜の実家にバレてしまうのです。
朧月夜の姉は朱雀帝の母・弘徽殿の太后です。
弘徽殿の太后は桐壺帝の妃で、恋敵である桐壺の更衣と源氏を嫌っていたので、失脚させようと目を付けていました。
身の危険を感じた源氏は自ら須磨の田舎へと身を隠します。
そこで明石の君と出会い、2人の間に娘(のちの明石の女御)が生まれました。
源氏を須磨に追い出したことにより、亡き父の桐壺帝の霊が弘徽殿の太后の実家に呪いでもかけるように危険が襲い掛かり、とうとう耐えられなくなった朱雀帝は源氏を京に戻し、帝の位を降りることにしました。
この朱雀帝、母親に逆らえないだけで、実は異母弟・源氏のことが妻・朧月夜と不倫していたのにも関わらず大好きなのです。
朱雀帝の後を継いで帝になったのが、源氏と藤壺の間に生まれた冷泉帝です。
冷泉帝の補佐として返り咲きした源氏は、栄耀栄華を極めていくのでした。
二部:栄耀栄華を極めた光源氏に陰りが現れる
次の二部は暗いお話へと変わっていきます。
準太政天皇に昇りつめた源氏は新しい奥さんを迎えます。
相手は出家した異母兄・朱雀院(旧朱雀帝)の娘・女三の宮です。
出家して静かに暮らしていた朱雀院に心残りがありました。
最愛の娘である女三の宮です。
女三の宮を1人置いていきたくなかった朱雀院は源氏に愛娘を託したのです。
女三の宮の母は藤壺の妹、紫の上と従姉妹に当たります。
源氏は藤壺と血縁関係にある、女三の宮に興味をそそられてしまい、結婚を承諾しました。
今まで正妻同様の立場にあった紫の上に陰りが生じてしまうのです。
先ほどの一部の赤字の部分はこの二部の重要な鍵となります。
寒気がするほどの因果応報ですよね。
相手は柏木という男で、源氏の親友・頭の中将の息子で源氏の前妻・葵の上の甥にあたります。
そして、女三の宮が出産した同じ時期に柏木が世を去ります。
女三の宮と柏木の間に生まれた息子が、三部の主人公・薫の君です。
源氏にまた悲劇が起こります。
愛する紫の上を亡くした源氏は長年考えていた出家を決意するのでした。
ここまでが、源氏の生涯の物語です。
三部:光源氏が世を去った後のお話
三部は源氏が世を去った後のお話です。
主人公は柏木と女三の宮の間に生まれた不義の子・薫の君です。
表では源氏の末っ子として、源氏の孫・匂宮と並んで当代きっての貴公子として持て囃されていました。
そんな薫の君に恋が訪れます。
相手は源氏の異母弟・八の宮の2人娘の長女・大君でした。
妹の中の君も美人でしたが、薫の君は姉娘の大君に恋をしてしまうのでした。
妹の中の君は匂宮に嫁ぎましたが、姉の大君は若くして世を去るのです。
大君を亡くし結ばれることなく終えた薫の君ですが、ある噂を聞いたのです。
それは、八の宮に本妻とは別の女との間に娘がおり、その娘が大君にそっくりだそうなのです。
それを聞きつけた薫の君は早速その娘に会いに行きます。
評判通りの大君にとても似た娘は浮舟と呼ばれるようになります。
浮舟を囲うことになった薫の君ですが、なんと彼女は匂宮とまで関係を持ってしまうのです。薫の君と匂の宮との三角関係に苦しんだ浮舟は、川に身を投げますが、助かり横川の僧都に拾われました。
そして、今までの苦悩を断ち切るように出家をした浮舟。
浮舟の生存を知った薫の君は彼女の元へ訪れますが、自分は浮舟ではないと言い張り、別れたのでした。
源氏物語を一言で言うと
源氏物語はこれでお終いです。
後味の良くないお話でしたが、いかがでしょうか。
出てくる登場人物が最低な人が多いですが、一人一人細かく描写されており、優雅な平安貴族の生活ぶりがわかるのが魅力的な作品です。
これだけのスケールを描いた紫式部は相当な天才ではないでしょうか。
これから、源氏物語はどのように誕生したのかお話したいと思います。
源氏物語誕生秘話
源氏物語の作者・紫式部は受領(小さな役人)の娘で20代後半に20歳も年上の藤原宣孝に嫁ぎました。
ですが、わずか3年後に宣孝に先立たれます。
そして源氏物語の評判を聞いて紫式部を呼び寄せたのはそう、彼女の運命を変えた藤原道長です。
藤原道長は紫式部を帝の后となる娘・中宮彰子の家庭教師として迎え入れ、彰子の侍女として仕えることになりました。
藤原道長がスポンサーに付きながら、源氏物語が完成したのです。
現在でも長く読み継がれており、20か国でも翻訳され世界中に読まれている日本が誇る小説なのです。
源氏物語の登場人物紹介
源氏物語の魅力は数多くの個性ある登場人物です。
源氏が今まで付き合った女性はどのような人たちでしょうか。
これから主な登場人物を紹介したいと思います。
源氏の君
この物語の主人公。
桐壺帝の第二皇子でありながら、臣下の籍になる。
父帝の后・藤壺に恋焦がれ、そのコンプレックスから数多くの女性と関係を持つ。
藤壺
源氏の父・桐壺帝の后。
源氏の亡き母・桐壺の更衣に生き写し。
桐壺の更衣に代わり、帝の寵愛を受け、後に中宮(正妃・皇后に匹敵する位)になる。
源氏に恋い慕われ、彼との間に子を設ける。
息子は帝・冷泉帝。
紫の上
源氏の生涯の伴侶となる最愛の女性。
父は藤壺の兄・兵部卿の宮で、姪にあたる。
10歳の頃に源氏と出会い、藤壺によく似た彼女に惹かれたことで邸に連れていき、源氏の妻となる。
晩年は源氏に出家を願うが許してもらえず、とうとう息を引き取る。
葵の上
源氏が最初に迎えた正妻。
源氏とは従姉弟になる。
元々、帝の后になるために育てられたため、気位が高く4歳年下の源氏とは打ち解けず、冷めた夫婦生活が続く。
源氏との間に息子を設けるが、彼の愛人である六条の御息所の生き霊に祟られ、息を引き取る。
六条の御息所
源氏の恋人。
源氏の叔父・亡き春宮の妃で、彼より7歳年上の未亡人。
美しく気品があり、知性教養も抜群の持ち主だがプライドが高く、年下の源氏とは間遠な関係になる。
葵祭の見物で葵の上の一行に無理やり席を奪われてしまい、その恨みから生き霊に化けて葵の上を呪ってしまう。
春宮との間に生まれた娘(秋好みの中宮)は後に源氏の養女となり、冷泉帝の中宮になる。
空蝉
受領・伊予の介の後妻で若き源氏が求愛した女性。
小柄で地味な顔だが、控えめで慎み深く、洗練さが源氏の心を射止め求愛されるが拒み続ける。
源氏から逃げるように薄衣を脱ぎ捨てた姿が蝉の抜け殻のようなので、空蝉を呼ばれた。
夫に先立たれ出家した後、源氏と再会し、彼の保護を受けながら余生を送る。
夕顔の君
若き源氏が少しの間だけ愛した女性。
元々、源氏の友人である頭の中将の愛人だったが、彼の正妻の実家に嫌がらせを受けたことで身を隠す。
下級の身分とは思えない教養の高さに惹かれ源氏と愛し合うようになるが、女の霊に祟られ息を引き取る。
頭の中将との間に生まれた娘・玉鬘は源氏の養女となる。
末摘花
亡き常陸宮が残した零落した宮家の姫君。
顔が不器量で滑稽で堅苦しく頑固だが、純粋そのものなご令嬢。
親に先立たれ貧しい暮らしをしていたが、源氏に出会い彼からの経済援助を受けながら生活をしている。
朧月夜
朱雀帝の妃で源氏とは不倫関係。
朱雀帝に嫁ぐ前から源氏とは関係があり、密会している場面を実家に知られてしまう。
源氏が須磨に流される一因となった女性。
明石の君
源氏の娘・明石の中宮を生んだ女性。
高官の娘でありながら、変わり者の父のせいで明石の田舎でひっそりと育つ。
須磨に流された源氏と出会い、娘をもうけ京に移り住むが、娘は紫の上の養女に引き取られる。
紫の上の計らいで帝の后として嫁いだ娘の侍女として仕えるようになる。
女三の宮
朱雀院の娘で源氏の後妻。
朱雀院から出家する自分に代わって娘の世話をしてほしいと願い源氏の妻となる。
彼女の母は藤壺の妹で紫の上の従姉妹にあたる。
源氏の妻となった後、柏木と不倫関係になり彼との間に薫の君が生まれる。
薫の君
源氏亡き後の話の主人公で、女三の宮と柏木との間に生まれた不義の子。
表では源氏の末っ子として世間から持て囃される存在。
八の宮の娘たちとの悲恋に悩まされる。
浮舟
薫の君が大君に代わって恋人にした女性。
父は源氏の異母弟・八の宮で母は父に仕えた侍女で愛人。
父に捨てられ母に大事に育てられるが、京の姫みたいに教養を身に付けられず、自己決定ができない性格となる。
薫の君と匂宮との三角関係に悩まされ命を絶とうとするが、横川の僧都に引き取られ、出家し芯の強い女性に成長する。
最後に
今回は源氏物語を初心者でも分かりやすいようにまとめてみました。
いかがでしょうか。
実際はこれよりも登場人物やお話がもっとあるのです。
これを見て源氏物語に興味を持ってもらえたら嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。